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『軍神マルスの子として生きましょう』マルスって何者?ローマのイケメン戦神を徹底解説!

林檎の園
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「ベルサイユのばら」――この作品の中で、オスカルが父に向かって語った「軍神マルスの子として生きましょう」というセリフ、印象に残っている方も多いのではないでしょうか?

あのシーンは、オスカルが覚悟を決め、自分の道を歩む決意を表した名場面のひとつです。

ところで、「軍神マルス」ってどんな神なのでしょう?実は、ローマ神話に登場する戦争の神であり、ローマ人にとって特別な存在でした。それだけではありません。

彼は強さや誇りの象徴でありながら、その端正な顔立ちや美しい彫刻で知られる“イケメン神”でもあるんです。

この記事では、オスカルのセリフに出てきた「軍神マルス」の背景や魅力に迫ります。

さらに、美術教育の現場で石膏像として親しまれる理由や、マルスのビジュアル面についても触れていきます。彼の姿を知ることで、オスカルが語ったあのセリフの奥深さがもっと感じられるはずです。

(※筆者の妄想も入っています。)

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【基礎知識】軍神マルスとは?

「軍神マルス」と聞くと、なんとなく「戦争の神」というイメージが浮かびますよね。

確かにその通りなのですが、彼はただの戦い好きな神ではありません。ローマ神話では、マルスは国家を守る守護者であり、ローマの繁栄を象徴する非常に重要な神格でした。

ローマ神話におけるマルスの地位

マルスは、ローマの神々の中でもトップクラスに崇拝された神で、戦争や軍事に関わるだけでなく、国家の平和と秩序をも象徴していました。

ローマ建国神話では、マルスはロムルスとレムス(ローマの建国者)の父とされ、ローマ人は自分たちの「祖先の神」として彼を特に尊敬していたのです。

ローマ建国との深い結びつき

マルスはローマの「父」とも呼ばれます。

マルスの息子とされるロムルスがローマを建国したとされるため、ローマ人にとってマルスは単なる神以上の存在。

国家そのものの象徴でもありました。そのため、戦争を始める際や戦勝を祈る際には、必ずマルスへの儀式が行われたと言われています。

ギリシア神話のアーレスとの違い

ローマ神話における「マルス」は、ギリシア神話に登場する「アーレス」と似た役割を持つ神です。どちらも「戦争の神」として描かれますが、性格やイメージには大きな違いがあります。

  • アーレス(ギリシア神話):
    アーレスは「戦争そのもの」を象徴する神で、戦場での血なまぐさい暴力や混乱、破壊的な戦いを司る存在です。そのため、ギリシア神話では他の神々からあまり好かれておらず、荒々しく衝動的な性格として描かれることが多いのが特徴です。
  • マルス(ローマ神話):
    一方、ローマ神話のマルスは「秩序ある戦争」や「国家を守るための戦い」を象徴します。ローマ人はマルスを「国家の守護神」として敬い、彼を戦争を通じて平和と繁栄をもたらす高潔な神として位置づけました。単なる暴力ではなく、国家の秩序と発展のための力を象徴する神格として描かれています。

具体的な違いを例えるならば…
アーレスは、暴力的で手が付けられない「荒くれ者」のような戦いの神ですが、マルスは冷静で責任感のある「国家のリーダー」としての戦争の神と言えます。

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美術とマルス:石膏像としての魅力

軍神マルスはローマ神話において戦争と国家の守護を司る神として崇拝されましたが、その姿は芸術の世界でも重要な位置を占めています。

特に、彫刻や絵画の題材として数多く取り上げられ、美術教育の現場では石膏像として親しまれてきました。

マルスの石膏像:なぜ美術教育で使われるのか?

美術を学んだことがある方なら、デッサンのモチーフとして「軍神マルス」の石膏像を見たことがあるかもしれません。

デッサン用の石膏像には、古代ギリシアやローマの神々・歴史的人物が多く登場しますが、その中でもマルスは特に理想的なモデルの一つです。

  • 理由①:均整の取れた顔立ちと筋肉の美しさ
    マルスの彫刻は、古代ローマの「理想の男性美」の典型を表しており、デッサンを学ぶ上で最適なバランスを持っています。戦争の神らしい力強さと気品ある表情が特徴で、初心者にも学びやすい構造になっています。
  • 理由②:静けさと力強さを併せ持つ造形
    「戦争の神」と言われると、荒々しいイメージを思い浮かべがちですが、マルスの彫刻は落ち着いた表情や構えが特徴です。これは、ローマ神話における「秩序ある戦争の神」としての側面を表現していると考えられています。

芸術作品に見るマルスの魅力

マルスは単なる戦争の神ではなく、芸術の世界では「力強さ」と「美しさ」の象徴として描かれてきました。ここでは、彼の姿を描いた代表的な作品を紹介します。

1. ボルゲーゼのマルス(ルーヴル美術館)

制作年代: 紀元前1世紀(ギリシアのオリジナルは紀元前430年頃)
特徴:

  • 彫刻家アルカメネスが制作したブロンズ像のオリジナルを基に、ローマ時代に模刻されたもの。
  • マルスの堂々とした体格と、静かな力強さを感じさせるポーズが印象的。
  • 現在、フランス・パリのルーヴル美術館 に所蔵されている。

この彫刻は、ローマ人が「軍神マルス」に抱いた理想像を具体的に表したもので、戦士としての誇りと高潔さを象徴しています。

2. ボッティチェリ作『ヴィーナスとマルス』(1485年頃)

制作年代: 15世紀(ルネサンス期)
特徴:

  • イタリアの巨匠サンドロ・ボッティチェリ による作品で、愛と美の女神ヴィーナスと戦争の神マルスの関係を描いている。
  • 戦の後、無防備に眠るマルスと、それを静かに見つめるヴィーナスの対比が印象的。
  • 戦争を象徴する甲冑が、背景でサテュロスたち(ギリシア神話の森の精霊)によっていたずらされているのもユーモラスな要素。

「戦争の神ですら、愛の前では無力になる」というテーマが込められたこの作品は、戦いと平和の対比を象徴しています。

3. アントニオ・カノーヴァ作『マルスとヴィーナス』(18世紀-19世紀)

制作年代: 18世紀後半~19世紀初頭(新古典主義)
特徴:

  • イタリアの新古典主義彫刻家 アントニオ・カノーヴァ による大理石彫刻。
  • マルスとヴィーナスが寄り添う優雅な姿が表現されている。
  • 繊細な彫刻技術によって、戦士の力強さと恋人としての優雅な表情が見事に融合している。

カノーヴァの作品は、古典彫刻の伝統を受け継ぎつつ、より感情を込めた表現が特徴です。この作品でも、マルスは単なる戦士ではなく、愛に包まれた存在として描かれています。

マルスは「美と戦いの神」だった!?

これらの作品を見ても分かるように、マルスはただの戦争の神ではなく、芸術の世界では「力強さと美しさを兼ね備えた象徴」として扱われてきました。
彫刻では 理想の男性像 として、絵画では 戦争と愛のコントラスト を表すテーマとして、古代から現代まで幅広く描かれ続けています。

「軍神なのにこんなにカッコいいなんてズルい!」 と思ってしまうほど、マルスの造形美は古代ローマの芸術家たちによって洗練されてきました。
石膏像として美術教育の現場に導入されるのも、その整った造形美とバランスの取れたプロポーションが評価されているからこそ。
美術の世界においても、マルスは 「戦士でありながら、愛される存在」 という独自のポジションを築いているのです。

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イケメン神マルスの魅力(※ちょっと妄想も入ります)

(画像:楽天)

戦争の神と聞くと、荒々しくてゴツいイメージを持つかもしれません。でも、ローマ神話の 軍神マルスは違います!
なんと、彼は「美しすぎる戦神」としても知られ、彫刻や絵画では 超絶イケメン に描かれることが多いのです。

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では、なぜマルスはここまで「かっこいい神様」として描かれてきたのでしょうか?
(※ここからは筆者の妄想もちょっぴり入ってますが、温かい目で見守ってください。)

1. マルスのビジュアル:理想の男性像としての美しさ

(画像:楽天)

マルスは、単なる戦士ではなく、「強さと美しさを兼ね備えた理想の男性像」 として描かれることが多いです。

特徴①:完璧なプロポーション(ズルい)

  • 力強い筋肉、広い肩幅、スラリと伸びた足、均整の取れた顔立ち。
  • 戦士の持つ野性味と、洗練された美しさの絶妙なバランス!
  • まさに 「古代ローマ版・完璧な王子様」 のような姿。

特徴②:ヘルメットがさらにカッコよさを引き立てる

  • 兜(かぶと)をかぶっているだけで強そうなのに、それがまた似合う!
  • ミステリアスな雰囲気がプラスされて、さらにイケメン度アップ!
  • 「戦士×王子様」…こんな設定、RPGなら最強キャラ確定では!?

2. 美の女神ヴィーナスも夢中!?マルスの恋愛エピソード

(画像:楽天)

「強くてイケメンな男」は、やっぱりモテる…!?
なんとマルスは、ローマ神話の 愛と美の女神ヴィーナス(ウェヌス) と恋仲だったという、ちょっと羨ましいエピソードを持っています。

ヴィーナスといえば、美の神様として世界的に有名な存在。
そんな彼女が選んだ相手が マルス だったなんて、「戦士でありながら、モテ男」の称号を得たようなものです。

筆者の妄想を挟むなら…
戦場では勇敢な戦士、普段はミステリアスなイケメン、しかも愛の女神に溺愛されるとか、これはもう勝ち組では!?

3. 現代でも「戦士×イケメン」は最強説!?

この「強くて美しい戦士キャラ」って、現代のポップカルチャーにも通じるものがあると思いませんか?

例えば…

  • ファンタジー作品に登場する、強くて美しい騎士キャラ
  • 戦う王子様系のキャラクター(某有名RPGの金髪剣士とか…)
  • そもそも、「戦士なのに妙にビジュアルが整いすぎている」アレ

こう考えると、マルスはまさに「古代ローマが生んだ最強の戦士キャラ」だったのかもしれません。
(※完全に筆者の解釈ですが、こういう視点で楽しむのもアリですよね?)

マルスの魅力は「戦士×イケメン」の黄金比

ここまでの話を整理すると…
戦争の神なのに、イケメンすぎる!
彫刻や絵画では、古代ローマの理想の男性像として描かれる!
愛の女神ヴィーナスをも魅了するモテ男!
現代のファンタジー作品にも通じる「強くて美しい戦士キャラ」

そして、オスカルが「軍神マルスの子として生きましょう」と言った背景を考えると、彼女が持つ 誇り高さや戦士としての気高さ にも通じるものがありますね。

(※もちろん、ここまでの話には筆者の妄想が少々含まれているので、実際の神話と照らし合わせながらお楽しみください!)

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まとめ

ここまで読んでくださった皆さん、ありがとうございます!
軍神マルスの「戦争の神としての強さ」だけでなく、 「理想の男性像としての美しさ」 にも注目すると、彼がいかに魅力的な存在かが分かってきましたね。

さて、今回のポイントを簡単に振り返ってみましょう。

① マルスは「戦争の神」だけど、ただの荒くれ者ではない!

  • ローマ神話において 「国家の守護者」 として崇められた存在。
  • ギリシア神話のアーレスよりも 秩序と平和を重視する高潔な神 として描かれる。
  • ローマ建国神話においては、ロムルスとレムスの父とされ、ローマ人にとって「自分たちの祖先」的な特別な神。

② マルスは美術界でも大人気!

  • 理想の男性美を持つ神 として、数多くの彫刻や絵画に登場。
  • 代表的な作品:
    • ボルゲーゼのマルス(ルーヴル美術館):力強さと美しさを兼ね備えた彫刻。
    • ボッティチェリ作『ヴィーナスとマルス』:戦争の神も愛には勝てない…?
    • カノーヴァ作『マルスとヴィーナス』:優雅な美しさと力強さが融合。

③ イケメン戦士としてのマルス

  • 古代ローマの理想の男性像! 均整の取れたプロポーション&圧倒的なオーラ。
  • 愛の女神ヴィーナスとのロマンス というモテ要素も完備!
  • 現代のファンタジー作品に通じる「戦士×イケメン」の黄金比!

④ 「ベルばら」のオスカルとマルス

そして、今回のテーマでもある 「ベルサイユのばら」のオスカルがマルスを引き合いに出した理由 についても、納得できる部分が多かったのではないでしょうか?

  • オスカルが自分を「軍神マルスの子」と例えたのは、戦う者としての覚悟 を示すため。
  • マルスが 単なる戦争の神ではなく、高潔な誇りを持つ神だったこと を考えると、オスカルの選択がより深く理解できます。
  • そして… マルスがイケメンだったことも、オスカルにぴったり!?(笑)

マルスの魅力は、今も昔も変わらない!

マルスは、ただの「戦争の神」ではなく、ローマ人にとっての英雄であり、美術の世界では 「理想の男性美」 を象徴する存在でした。

そして、この「強さと美しさのバランス」は、現代の私たちが愛するキャラクターたちにも通じるものがあります。
「強くて誇り高い戦士」「でもどこかミステリアスで美しい」…この要素は、時代を超えて人々を惹きつける魅力なのかもしれません。

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最後に…筆者のちょっとした妄想

ここまで冷静にマルスを紹介してきましたが、正直なところ…

「軍神なのにここまでイケメンとかズルくない?」

って思っちゃいますよね!?(笑)

戦いに生きる誇り高き神でありながら、モテるし、ヴィーナスからも愛されるし、しかも美術作品では 完璧な肉体美と整った顔立ち…。

これはもう、RPGに出てきたら 「最強イケメン戦士キャラ」確定 ですよね!?

(※ここまで読んで「ちょっとマルス推しになったかも」と思った方、仲間です。)

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おわりに

ということで、今回は 「軍神マルス」の魅力 を掘り下げてみました!
「ベルばら」ファンの方はもちろん、マルスという神を初めて知った方にも、楽しんでいただけたなら嬉しいです。

さて、最後に皆さんに一つ質問です。

「もしあなたが戦場に立つなら、マルスに守護してほしいですか?」

…なんだか頼りになりそうですよね!?

(※この問いに「YES!」と答えた方、もうあなたはマルスの魅力にハマっているかもしれません。)

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これにて、軍神マルスの魅力探求は完結!読んでくださってありがとうございました!

 

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