信長のそばに仕えた「森蘭丸」って、いったいどんな人?
──戦国BL沼に足を突っ込んだことがあるオタク女子なら、一度は気になったことがあるはず。
美少年、寵愛、小姓、殉死…設定が完璧すぎて「これはもう公式カップル(※信長×蘭丸)では?」と妄想したくなるけど、実際のところはどうなの?
実は…蘭丸が美少年だったと裏づける一次史料は一切ナシ!
なのに、講談・浮世絵・小説・2.5次元舞台まで「麗しの小姓」像が爆誕し、令和のいまも私たちを尊死させてくる──それこそが森蘭丸最大のロマン。
この記事では、史実ガチ勢の視点で“証拠ゼロ”をサクッと整理しつつ、後世が育て上げた萌えポイントをぜんぶ味わい尽くします。
森蘭丸のリアルを“萌えフィルター”を通しながらガチで解説します!

妄想は大事。史実を知れば、もっと深く萌えられるはず。
えっ、公式じゃなかったの!?──蘭丸と信長の“ほんとうの距離感”3ポイントまとめ
はい、まずここで大事なことを先に!
森蘭丸は、信長のリアル小姓であり、めちゃくちゃ有能な若武者です。
ただし──「信長の恋人だった」という直接的証拠は史料に一切ありません。
当時の武家社会には、主従の精神的結びつきを重んじる文化=衆道が存在していたのは事実です。
けれども、「衆道文化がある」ことと「信長と蘭丸が恋愛関係だった」ことはイコールではありません。
この点は超重要なので、先にくっきり線引きしておきますね!
まとめると──
- 信長×蘭丸は“萌える主従関係”なのは史実ベースで尊い。
- 恋愛(性的)関係を示す一次史料は見つかっていない。
- だからこそ、史実+妄想で深掘りする余地が無限にある♥
さぁ次章からは、史料で確認できる蘭丸の実績や、BL界隈で語られがちな噂の出どころをガチ検証していきます!
🏹プロフィールから読み解く──森蘭丸はどんな人物だったの?
💠 森蘭丸=本名は「森成利」
まずは推しの本名チェックから!
森蘭丸(もり・らんまる)の戸籍(的なもの)は「森成利(もり・なりとし)」です。
“蘭丸”は当時の若武者にありがちな通称で、現代でいう〈○○くん〉ポジ。
かわいさ爆発のネーミングに早くも💘が止まりません!
💠 名家に生まれた戦国サラブレッド
父は信長の重臣・森可成、兄は鬼武将の森長可――というガチ武門エリート。
「名門×美少年」の破壊力に、オタク女子は早速尊死案件…!
💠 信長の小姓に抜擢、そして怒涛の出世!
10代前半で信長さまの小姓(こしょう)に就任。
書状の代筆や接客スキルをバリバリ発揮し、数年後には美濃・岩村城5万石の城主へジャンプアップ✨
──って、成り上がり速度がソシャゲのレベル上げ並みなんですけど!?
💠 かわいいだけじゃない!超ハイスペック少年
- 📝 文書スキル:信長書状の代筆を任されるレベル
- 🧠 判断力:主君のそばで即断即決!
- 💪 忠誠&度胸:危険地帯でも信長に密着護衛
──はい、もう秘書力MAXの完璧超人。
「ただの美少年」と思ったそこのあなた、推しの実務能力にひれ伏す準備はいいですか?
💠 そして17歳──本能寺での最期
1582年、本能寺の変。炎に包まれる寺内で、蘭丸は弟たちと最期まで信長を守り17歳前後で殉死。
若すぎる散り際が“尊さ”にブーストをかけ、後世のオタク心を撃ち抜く伝説に──😭✨
💠 「美少年」伝説は後世のファン仕込み⁉

歌川国芳 「太平記英勇伝 保里蘭丸永保 森蘭丸」
実は、顔立ちの一次史料は残っていません。
でも江戸期の講談や浮世絵が「気配り上手で麗しい少年像」を拡散。【※1】
その結果、
美少年×殉死×忠義=尊い!!
という“萌え方程式”が完成し、現代BL界でも最強クラスの推しキャラに昇格したわけです♥
・軍記物語『絵本太閤記』(江戸中期)— 蘭丸を「気配り上手な美少年」として脚色。
・歌川国芳『太平記英勇伝 保里蘭丸永保』(1840年代頃)— 本能寺で奮戦する麗しい蘭丸を描いた浮世絵。
🏰「信長さまの恋人?」その噂、どこから来たのか追跡してみた
蘭丸と信長を語るとき、どうしてもついてまわるのが「恋人説」や「寵愛説」。
オタク女子としては「分かる…設定が刺さりすぎて公式に見える…!」となる気持ち、めちゃくちゃあります。
でも、ちょっと待って。それ、どこから来た話?
実はこの“BLっぽい関係性”の元ネタ、多くが後世の創作や講談、浮世絵だったりします。
💠 史料には恋愛の記述はナシ!
もっとも信頼性が高い一次史料『信長公記(しんちょうこうき)』や『兼見卿記(かねみきょうき)』には、
蘭丸と信長の恋愛や性的関係を示す記述は一切ありません。
彼は「信頼できる小姓」「優秀な取次役」として描かれており、あくまで職務上の近習だったことが分かります。
💠 蘭丸を「美少年」にしたのは江戸時代!?
では、なぜ現代でも「美少年で寵愛されていた」イメージが根づいているのか?
答えは江戸時代の娯楽創作です。
- 講談・軍記物で「蘭丸は麗しく忠義に厚い小姓」と脚色
- 浮世絵にて、線の細い少年が凛々しくも儚げに描かれる
- 明治~昭和の少年雑誌・小説が“理想の少年像”として再拡散
こうして「信長の秘蔵の美少年」=「恋人」という解釈が盛られ、いつの間にか“公式”っぽい風格に育ってしまったわけです。
💠 なぜBLファンの心に刺さるのか?
- 主従関係の緊張感
- 信長の冷酷さ × 蘭丸の忠誠というドラマティックな対比
- 炎の中でともに散る――劇的すぎるエンディング
…もうこれ、物語として完璧すぎませんか!?
だからこそ私たちは「歴史の尊さ」と「妄想の自由」をどちらも大切にして推し活していきましょう♥

ところで、そもそも「主君と小姓のあいだに親密な関係がある」という発想自体、どうして生まれたんだろう?──そんな疑問が浮かんだ方もいるかもしれません。
実はそれには、戦国時代の武士社会に根づいていた、とある文化が深く関わっています。
そう、それが“衆道(しゅどう)”と呼ばれる、ちょっと特殊な歴史的背景なのです。
🧠衆道ってなに?オタク女子のための“戦国BL”基礎講座
「戦国時代には男同士の恋愛があった」と聞いたこと、ありませんか?
男同士の恋愛は歴史的にもちゃんと記録が残っている文化なんです!
それが「衆道」と呼ばれる、武士の間で行われていた精神的・時に身体的な“男色”のあり方なんです。
でも、これを現代の恋愛とそのまま同一視するのはちょっと違うかも?
ということで、オタク女子のための“やさしい衆道入門”、開講です♥
💠 衆道(しゅどう)ってどういう文化?
衆道とは、室町〜江戸時代にかけて武士階級の間で広く見られた男性同士の精神的な主従愛や恋愛関係のこと。
年長の武士(導き手)と若年の小姓(弟子・伴侶)の間に、忠誠・学び・情愛が結びついた関係を築くのが理想形とされていました。
まさに戦国版「師匠と弟子の尊い関係」であり、「忠義と美」が求められた世界です。
💠 「色小姓」と「実務小姓」のちがいって?
BLでよく聞く“色小姓”という言葉。
これは主君の側で身の回りの世話をする中で、恋愛的・肉体的な関係をも持った小姓のことを指します。
一方、史料に登場する森蘭丸のような「小姓」は、どちらかといえば
- 書状の代筆
- 来客の接待
- 秘密保持・護衛など
といった、秘書+側近+実務官的ポジションで、完全にお仕事モード。
信長関連の一次史料には、恋愛関係をにおわせる記述は一切ありません。
💠 衆道文化=すべて恋愛だったわけじゃない!
ここが誤解されやすいポイントですが──
というのが基本。
宗教的な清浄さや、美意識、忠義といった「武士道的価値観」が大前提にあり、今の“恋愛関係”とは少しニュアンスが違います。
ただし、だからこそ現代の私たちが「妄想で補完」したくなる余白があり、BL作品としても抜群に映えるのです✨

さて、“衆道”という文化があったとはいえ、森蘭丸が信長と恋愛関係にあったという証拠はありません。
では、そんな蘭丸が実際にどんなふうに信長のそばに仕えていたのか?

ここからは、史実ベースで見えてくる「小姓」という役職のリアルに迫っていきましょう。
──ただの“お付きの人”だと思ったら、ぜんぜん違いますからね!
🗂️小姓ってただの付き人?──蘭丸がいた“武将育成システム”の正体
💠 小姓は「お世話係」だけじゃない!
戦国時代の小姓は、単に身の回りの世話をする係ではありませんでした。
書状や公文書の代筆、主君と家臣の取次、機密保持、戦場での護衛まで──現代でいえば秘書+SP+外交官+教育係を一手に担うハイスペック職だったのです!
💠 信長は「小姓システム」を重視していた!
織田信長は、小姓をエリート新人研修→幹部育成コースとしてフル活用。
優秀な少年を抜擢し、文武両面を教育⇒将来は馬廻(うままわり)や奉行、城持ち大名へ──という
人材ファーム的ループを構築していました。
💠 蘭丸は制度の“模範解答”だった!
森蘭丸もこのシステムの中で実力を発揮し、わずか10代で岩村城5万石の城主へ大出世✨
書状の代筆を任されるほどの文章力と、瞬時の判断力を備えたできる秘書系男子だったのです。
💠 「できる系イケメン小姓」と語り継がれるワケ
実のところ、蘭丸の容姿を記した一次史料は一切残っていません。
それでも“美少年で寵愛された”イメージが定着したのは、江戸期の講談や浮世絵が「忠義×若さ×悲劇」という尊さを盛りに盛った結果。

言い換えれば──後世が膨らませた理想の美少年像なのです♥
つまり、蘭丸は「ビジュアルは謎だけど実務は最強」というオタク心をくすぐるギャップ萌えキャラ!
史実のスキルと、後世の美少年フィルターが合体して“できる系イケメン小姓”として語り継がれた──それが真相です。
信長の近くで実務に励みながら、わずか十代で大名にまで出世した森蘭丸。
その活躍ぶりは、まさに戦国のスーパーエリートでした。
でも、その人生はあまりにも短く、そして劇的すぎる最期を迎えます──。
次は、誰もが知る歴史の大事件「本能寺の変」。
蘭丸がどのように信長と運命をともにしたのか、史料をもとにたどっていきましょう。
🔥本能寺の変・17歳の最期──殉死は美談かリアルか?
1582年6月2日──京都・本能寺で起きた歴史的大事件「本能寺の変」。
明智光秀の謀反により、織田信長が炎の中で自害に追い込まれました。
そしてそのとき、森蘭丸は信長と共に本能寺にいたのです。
弟の坊丸・力丸とともに、最期の瞬間まで主君を守り抜いた蘭丸。
享年わずか17歳──あまりにも早く、あまりにも劇的な別れに、歴史の中の“尊死シーン”がここに爆誕したと言っても過言ではありません…!
💠 戦ったのは事実。最期の姿は…?
一次史料『信長公記』や『兼見卿記』には、蘭丸三兄弟が本能寺にいたこと、そして信長の護衛を務めながら討死または自害したと記されています。
くわしい描写はないけれど、想像してしまいませんか?
「迫る敵」「炎の音」「主君のそばで最後まで戦う17歳の少年」…
ひえ…、これはもう…感情が追いつかない……

主君を守って炎の中に消えていく蘭丸──
あの尊すぎる場面を、実際に2.5次元舞台で観られるなんて…!
もう、ありがとう令和。ありがとう舞台スタッフ…🙏✨
💠 “殉死の美学”が蘭丸を神格化した?
戦国時代において、主君のために命を投げ出すのは“忠義”の極致。
とくに若くして散った蘭丸は、講談や浮世絵で「炎に散る美少年」として神格化されていきました。
オタク女子視点で言えば、「忠義」「殉死」「美少年」「兄弟との最期」──
萌えの材料が揃いすぎてて、これはもう実質公式供給です(泣)
💠 でも実際は…「17歳で最前線」は重すぎる
史実として見れば、蘭丸はまだ高校生くらいの年齢。
突然襲われた本能寺で、どれだけの恐怖と覚悟を持って主君を支えたのか…想像するだけで胸が締め付けられます。
ただの“美談”ではなく、その裏にあった彼の覚悟や震えるような忠義こそ、私たちがいま「尊い」と感じる真の理由なのかもしれません。
──こうして炎の中で散った森蘭丸ですが、物語はここで終わりません。
彼の短くも劇的な生涯は、後世の人々の想像力を刺激し、やがて“美少年伝説”として独り歩きを始めます。
次章では、本能寺後に「蘭丸=麗しのアイコン」というイメージがどのように生まれ、江戸〜現代へと広がっていったのかをたどっていきましょう!
🌸“美少年伝説”はこうして生まれた──蘭丸イメージ進化の軌跡
「蘭丸って、なんであんなに“美少年”って言われてるの?」
史料には容姿の記録はまったくないのに、現代では「儚げな美少年」「忠義のアイコン」として語られることの多い森蘭丸。
実はこの“美少年イメージ”、後世の創作と想像力によって生まれ、時代ごとにどんどん進化してきたんです。
💠 江戸時代:講談と浮世絵が「ビジュアル化」を始めた!
森蘭丸が“美しく殉じた忠臣”として知られるようになったのは、江戸時代に入ってから。
軍記物語や講談の中で、彼のエピソードがロマンティックに脚色されていきます。
- 信長に忠誠を尽くす小姓として、美しく、けなげに描かれる
- 浮世絵では、線の細い美青年として登場(※実物の資料ではない)
つまり、ビジュアルとしての蘭丸像=創作の中で生まれたというわけです。
💠 明治〜昭和:文学や演劇で“儚げ男子”として定着
近代に入ると、蘭丸は少年雑誌や歴史小説、演劇の中で「忠義・儚さ・美しさ」を兼ね備えた理想の少年像として扱われるように。
- 歴史の授業より、演劇や小説の中で先に知った人も多かったはず
- 「殉死」というエピソードが、日本人の“情”や“哀しみ美”にハマった説、あると思います
💠 そして現代──蘭丸は“2.5次元化”も果たす!
現代では、蘭丸はついに舞台・ゲーム・アニメの世界へ!
- 『イケメン戦国 THE STAGE』での森蘭丸役は大人気✨
- 『刀剣乱舞』では「蘭丸の刀」に関連するキャラが本能寺を巡って激闘🔥
- 創作BL、SNSイラスト、AIイメージまで広がる“蘭丸ビジュアル沼”!
いまや蘭丸は、史実と創作のあいだで萌えと尊さをまとった歴史アイコンになっているのです。
💖 推しは“作られた”のではなく、“育ってきた”
森蘭丸という存在は、時代ごとの人々の想像力によって形づくられてきました。
それは「事実の捏造」ではなく、「ときめきの進化」です✨
いま、私たちが感じているこの“推し感情”もまた、歴史の流れにあるんです。
だから誇っていい。推しは、歴史であり、文化です!
📖蘭丸は小説の中でどう描かれた?──“儚げ男子”が文学に宿った瞬間
蘭丸といえば“美少年”のイメージが強いですが、それってどこから来たの?という疑問に応えてくれるのが、近現代に出版された小説たちです。
明治〜昭和、そして平成以降にかけて、森蘭丸は文学の世界で幾度も描かれ、そのたびに「儚げで忠義に厚い若武者」としてのイメージが強化されてきました。
ここでは、実際に出版されている作品の中から、BL好き女子にも刺さるおすすめのタイトルをご紹介します。
🌸1. 八尋舜右『森 蘭丸 乱世を駆け抜けた青春』(PHP文庫)
- 蘭丸の成長、母との確執、信長への忠義が描かれた本格歴史小説。
- 講談や伝説とは違う“等身大の蘭丸”が丁寧に掘り下げられていて、切なくも熱い!
- 現代でも読みやすい文庫版&電子書籍あり。
🌸2. 澤田ふじ子『森 蘭丸』(光文社文庫)
- 戦国期の人間関係と心情の機微に焦点をあてた、渋くもしっとりとした作品。
- 蘭丸の視点から描かれるため、彼の内面が豊かに伝わってきます。
🌸3. その他の“蘭丸主役”小説たち
- 小野稔『森蘭丸』(大陸書房)
- 宮本昌孝『乱丸』(徳間書店/上・下巻)
- 大塚卓嗣『天魔乱丸』(早川書房)など
これらの作品では、史実では触れられない“感情”や“関係性”が描かれ、蘭丸の美しさや忠義、若さゆえの葛藤がまるで舞台のように浮かび上がります。
💡ポイント
- 史料ではわからない「蘭丸の気持ち」に迫るには、小説が最適!
- 歴史×フィクション×感情=“ときめきブースター”として文学は最強
文学の中で息づいた“儚げ男子・蘭丸”──それは私たちの心の中に、今も美しく生きています。